映画『もしドラ』応援団
いい歳したおじさんが、映画『もし高校野球の女子マネージャーが
ドラッカーの「マネジメント」を読んだら』を見た映画館で泣きました。 不協和音から互いに敬遠、無関心を経て、ついには衝突してしまう野球部員達が、とあるきっかけから真摯に野球に取り組み始めるという、主題通りの映画に、昔のことを思い出して、胸縫こみあげてくる何かを感じました。
バラエティのイメージが強かった大泉洋の演技に完全に泣かされてしまいました。
主演の前田敦子さんの演技を初めて拝見したのは、昨年の学園ドラマ「マジすか学園」ですが、ひたすら暗く影を背負った演技が印象的でした。
今回はこの時とは全く別の顔を見せ、頼もしくも実直なマネージャー役を見事に演じきっています。
映画をきっかけに大元の本ドラッカーの「マネジメント」も読みました。その中でも「マネージャーに必要な資質は才能ではなく、ひたむきに取り組む姿勢」と言い切ってしまうところに清々しさを感じ、今の自分に足りない何かを見いだせた気がします。
他にも「なるほど!」と思わせる数々の見せ場があるわけですが、興味が湧いたら本物のドラッカー本を読めばいいのかな、と思います。原作の「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら」もさっくり読め、小学生の娘でも理解ができる良い内容です。
表紙の絵で、敬遠していた方にも中身はしっかりとしたためになることばかりなので、さすが大ベストセラーだと納得させられます。
涙とともに感動と、人との結びつきを深く感じられる映画を是非ご覧ください。
原作:もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら
元放送作家の岩崎が自身のはてなダイアリーで2008年7月11日に書いた同名の記事を読んだダイヤモンド社の編集者が岩崎に企画を持ちかけて制作された。イラストはゆきうさぎ、背景は益城貴昌(bamboo)がそれぞれ担当している。
公立高校の弱小野球部でマネージャーを務める女子高生・川島みなみが、ピーター・F・ドラッカーの著した組織管理論手引書『マネジメント』を偶然書店で手に取ったことを契機に部の意識改革を進め、甲子園を目指すと言うストーリーで一見、萌え本やライトノベルを意識したかのような装丁が採り入れられているのが特徴となっている。
2010年3月に第1回サムライジャパン野球文学賞特別賞(ベストナイン)を、同年12月に第45回書店新風賞を、2011年3月に第16回AMDアワード優秀賞を受賞。2010年7月22日、発行元のダイヤモンド社は本書が1913年(大正2年)に同社が創業して以来初のミリオンセラーとなったことを発表。オリコンランキングでの推定実売部数は、2010年10月18日付で100万部、2011年4月18日付で200万部をそれぞれ突破した。この間、2011年2月21日付ランキングの時点で179.7万部となり、総合部門で歴代1位となっている。2011年8月現在の発行部数は255万部、電子書籍版15万部を合算して270万部を突破している。オリコン2010年年間“本”ランキング、トーハン2010年書籍年間ベストセラー、日販2010年度年間ベストセラー、Amazon.co.jpBest Books of 2010和書総合部門でいずれも総合1位を獲得している。こうした好調なセールスを受けて、2010年秋から2011年夏にかけて後述のようにアニメ化・漫画化・映画化とメディアミックス企画が相次いで展開される。
主人公の川島みなみは岩崎がプロデュースに関わっていたアイドルグループ・AKB48のメンバー・峯岸みなみが憧れる女性像をモデルにしている。また、映画版の田中監督と原作・脚本の岩崎によるコメンタリーの中で、北条文乃は渡辺麻友がモデルであると明かしている。2011年6月公開の映画では同じAKB48の前田敦子が主役を演じることとなった(後述)。なお峯岸は北条文乃を演じる(後述)。この他AKB48関連ではオーディオブック版の朗読を仲谷明香が担当、仲谷はその後アニメ版で文乃役としても出演している。
映画のストーリー
川島みなみ(前田敦子)は病床の親友・宮田夕紀(川口春奈)を引き継ぎ、夏の甲子園の予選を1回戦で敗退した都立程久保高校野球部にマネージャーとして入部する。みなみは野球部を甲子園に連れて行くと宣言するが、エースの浅野慶一郎(瀬戸康史)をはじめ部員の大半は練習をサボってばかり、監督の加地誠(大泉洋)は見て見ぬふりという有様だった。
引っ込みがつかなくなったみなみは、書店に立ち寄る。マネージャーについて書かれた本を店員に尋ねると、世界中のマネージャーが読んでいると言う『マネジメント』を勧められる。
家に帰って読んでみると、それはドラッカーが書いた経営学の本であった。しかしみなみは、この本に書かれていることを高校野球に活かそうと考える。ドラッカーの至言に従い、夕紀や、後輩マネージャーの北条文乃(峰岸みなみ)の助けを借りながら、みなみは部員たちと向き合っていく。次第にその考えが部全体に浸透し、部員たちは真摯に練習に取り組むようになる。そして実力も向上し、甲子園出場も狙えるまでになっていく。
その影響は他の部活動にも波及し、高校野球界全体の古いセオリーさえ刷新する。そして、みなみたちにとって最後の甲子園予選が始まる。程久保高校野球部はトーナメントを勝ち上がっていく。しかし決勝前夜、彼らにとって衝撃的なできごとが起こる。
内容
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの 『マネジメント』を読んだら | |
---|---|
監督 | 田中誠 |
脚本 | 岩崎夏海 田中誠 |
製作 | 森川真行 |
製作総指揮 | 秋元康 濱名一哉 吉田正樹 |
出演者 | 前田敦子 瀬戸康史 峯岸みなみ 池松壮亮 川口春奈 大泉洋 |
音楽 | 服部隆之 |
主題歌 | AKB48『Everyday、カチューシャ』 |
撮影 | 中山光一 |
編集 | 大永昌弘 |
製作会社 | 「もしドラ」製作委員会 |
配給 | 東宝 |
公開 | 2011年6月4日 |
上映時間 | 125分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
2011年6月4日に東宝系で公開の青春ストーリー映画。2010年12月13日に映画化することが発表された。2011年1月上旬にクランクインし、2月中旬までにクランクアップ、6月4日に公開。監督は『タナカヒロシのすべて』『うた魂♪』の田中誠。総合プロデュースをAKB48の総合プロデューサーでもある秋元康が手がける。
川島みなみ役の前田敦子は本作が映画初主演となり、映画出演も『那須少年記』(2008年)以来3年ぶりとなる。また川島みなみのモデルとなった峯岸みなみも北条文乃役で出演する。
キャッチコピーは「私たちの青春は、一冊の本から始まった。」。
全国320スクリーンで公開され、2011年6月4、5日の初日2日間で興収1億8,073万5,100円、動員14万2,592人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第3位となった。一方、同日公開の『パラダイス・キス』に話題が集中したこともあり、一部報道では「早くも失速」との批評もあった。
音楽
全楽曲の作詞は秋元康
- 主題歌「Everyday、カチューシャ」
- 作曲・編曲:井上ヨシマサ、歌 -AKB48
- 挿入歌「Flower」
- 作曲・編曲:若田部誠、歌 – 前田敦子
スタッフ
- 総合プロデュース – 秋元康
- エグゼクティブプロデューサー -濱名一哉、吉田正樹
- 企画プロデューサー -森川真行
- プロデューサー – 大原真人、渡邊義行、渡辺敬介、石塚清和
- ラインプロデューサー -鈴木嘉弘
- 監督・脚本 -田中誠
- 原作・脚本 – 岩崎夏海
- 音楽 -服部隆之
- 撮影 – 中山光一
- 照明 – 市川徳充
- 美術 – 小泉博康
- 録音 -小原善哉
- 編集 -大永昌弘
- スクリプター – 吉田久美子
- テクニカルプロデューサー -大屋哲男
- VFXスーパーバイザー – 道木伸隆
- 助監督 – 塩入秀吾
- 製作担当 – 齋藤大輔
- 企画監修 – 吉田正樹事務所
- 製作協力 -東宝映画
- 製作プロダクション -ファインエンターテイメント
- 製作 – 『もしドラ』製作委員会(TBSテレビ、電通、東宝、ファインエンターテイメント、吉田正樹事務所、毎日放送、秋元康事務所、中部日本放送、AKS、太田プロダクション、キングレコード、ダイヤモンド社、ワタナベエンターテインメント、RKB毎日放送、TBSラジオ&コミュニケーションズ、北海道放送)
- 配給 – 東宝
ロケ地
メインの程久保高校のロケーション撮影は、茨城県高萩市の旧・茨城県立高萩工業高等学校で行われた。大泉洋・瀬戸康史・前田敦子・峯岸みなみからは、高萩工業高校の統合先である茨城県立高萩清松高等学校にサイン色紙が送られた。また同県稲敷市の茨城県立江戸崎総合高等学校でもロケが行われている。